マイスターの紹介

マイスターの履歴

製パン、製菓マイスター:柿沼 理
1973年 名古屋生まれ
1992年 大阪あべの辻調理師学校卒業
1993年 大阪あべの辻製パンカレッジ卒業、語学研修の為渡独
1995年 BäckereiKronmüller in Schwäbisch-Hallにて、3ヶ月の研修
1997年 パン職人の資格取得のため修行をBäckereiKronmüllerにて始める(Ausbildung開始)
1999年 約2年半、BäckereiKronmüllerにて働きながらBerufschule in Künzelsauに通い
パン職人の資格を取得(Ausbildung終了)
引き続きBäckereiKronmüllerにてパン職人として働く
2000年 全日制学校Bäckerfachschule in Stuttgartにて製パンマイスター(Bäckermeister)の資格を取得
その後、製パンマイスターとしてBäckereiLutz in Ludwigsburgに2年間勤務
2003年 全日制学校Meisterschule im Hoppenlauにて製菓マイスター(Konditormeister)の資格を取得
その後BäckereiKaufmannにて働く
2004年 帰国後、Sonneパン工房にて工房チーフとして働き始める
2006年 Meisterかきぬまs Backstubeを星ヶ丘にOPEN

ドイツで約10年滞在し感じた事

ドイツでは見習いと職人、マイスターの区分が非常にはっきりしています。まず、職人になるには見習として3年(成績優秀の場合は2年半)働きながら学校に通い、その最終学期に実技と筆記の試験があり、それに合格した者のみが"職人"として働くことができます。日本の様に、パン屋で働き始めて半年、1年で仕事が出来るようになったからといって、"職人"とういうようなことはありません。職人になる試験(勿論全てドイツ語です。)は実技と共に理論、数学などもあるので、職人同士ではある一定の話しは通じます。日本のパン業界の様に、人それぞれ違った考えを持って独自の理論でパン作りを行っているということはなく、一定のレベルは保たれているというのが現状です。

そして次に、マイスターの資格です。これは、ドイツではパン屋を開こうと思ってい者であれば必ず取得しなければならないもので、マイスターの資格なしではお店を開くことはできません。マイスターの学校には、職人として最低2年半働いた者ののみが通う資格があります。仕事を辞めて約半年間毎日通う学校では、パンの実技、理論、数学の授業があるのは勿論のこと、それとは別に経営学(お店をどのように経営するべきかなど)、教育学(見習い、職人にどのように仕事を教えていくか)、法律(どのような行為が違法にあたるのか)なども勉強し、最終的には実技、理論、経営学、教育学の4つの国家試験があります。(これも勿論全てドイツ語です。)この4つの国家試験全てに合格した者のみが、マイスターの称号をドイツ連邦共和国より与えられるのです。

という具合に、ドイツでは見習い、職人、マイスターの制度が本当にしっかりしています。(日本にあるマイスター制度とは全く違うものです。)見習いは決して職人に反発することは許されず、職人はマイスターには絶対に理論、実技において敵いません。そのような環境の中で、10年近く働く事を許された事また、多くの人々に支えられてこのような貴重な体験ができたことを感謝しドイツで学んだパンの知識を活かして、ドイツパンのみならず(ドイツへは"パンの勉強"に行ったのであって、"ドイツパン"の勉強に行ったのではないので―Meisters Backstubeはドイツパンのお店ではありません。―)日本人にあった安心で安全なパンを工房スタッフと共に作っていきたいと考えています。